パラ・デフテコンドーについて
パラテコンドーとデフテコンドーは、障がいを持つ選手のためのテコンドー競技です。2020年の東京パラリンピックでは、パラテコンドーキョルギが初めて正式種目として採用され、また、デフテコンドーもデフリンピックの種目として行われています。これらの競技は、障がいを持つアスリートが国際大会で競い合い、技術を高める場として発展してきました。
パラテコンドー
パラテコンドーは、キョルギ(組手)とプムセ(型)の2種類の競技形式があります。パラリンピックではキョルギが正式種目となり、多くの選手が活躍しています。
パラテコンドーキョルギ
パラテコンドーキョルギは、上肢障がいを持つ選手による組手競技で、攻撃の中心は足技です。安全を確保するため、頭部への攻撃は禁止されています。選手は防具を着用し、現在は電子防具を使用することが主流です。
階級
男子 | -58kg | -63kg | -70kg | -80kg | +80kg |
女子 | -47kg | -52kg | -57kg | -65kg | +65kg |
クラシフィケーション
K41 | 両腕欠損(両肩関節からの両腕欠損、両腕の長さが(身長×0.193)よりも短い) |
K44 | 片腕欠損(片手関節より上の欠損)、片腕機能障害(肩関節の機能障害、肩肘関節の機能障害)、 片麻痺及び単麻痺 両腕欠損(両肘関節よりもしたかつ両手関節よりも上の欠損) 片腕欠損(片肩関節からの片腕欠損、片腕の長さが(身長×0.193)の長さより短い 両腕欠損(両腕の長さが(身長×0.193)よりも長いが、両ひじ関節から上の欠損 |
試合時間
公式大会では以下3つのタイプがあります。
① 2分×3ラウンド(インターバル30秒か1分)
② 1分×3ラウンドまたは1分30秒×3ラウンド(インターバル30秒~1分)
③ 1ラウンドシステム(1ラウンドが4分~5分。試合中に1分から2分30秒のタイムアウトを試合中いつでも取ることができます。ラウンドの長さやタイムアウトの回数は大会毎に決定されます。
*但し、オープン大会の場合は上記の限りではありません。
勝敗
試合時間内にポイントを多く獲得した選手が勝利します。KOやTKOによる勝利もあります。 最終ラウンド終了時点で同点の場合は、ゴールデンポイントラウンドとなり、時間内にポイントを先取した選手の勝利となります。
・有効得点(2018年6月現在)
2点:蹴りによる胴攻撃
3点:後ろ蹴り(ティッチャギ)による胴攻撃
4点:ターン蹴りによる胴攻撃
*頭部への攻撃は減点もしくは失格となる場合もあります
パラテコンドープムセ
パラテコンドープムセは、障がいを持つ選手が参加する型競技です。2013年から世界選手権でパラテコンドーの種目として採用され、個人戦、ペア、団体戦が行われます。競技者は、決められたプムセを試演し、技術の正確さと表現力で採点されます。
部門
1 ジュニア部門(12~15歳)
2 UNDER30(16~29歳)
3 OVER30 (30歳以上)
クラシフィケーション
P10 | 視覚障害 |
P20 | 知的障害 |
P30 | 運動障害 |
P50 | 車いす |
P60 | 聴覚障害 |
デフテコンドー
デフテコンドーは、聴覚障がいのある選手が参加するテコンドー競技で、キョルギ(組手)とプムセ(型)の2つの種目があります。2009年からデフリンピックの正式種目となり、2021年にはイランで初の世界大会が開催されました。2025年には、東京デフリンピックが開催される予定です。
デフテコンドープムセ
聴覚障がいの選手による型です。個人戦、男女ペア、団体戦があります。
デフテコンドープムセは、聴覚障がいのある選手が参加する型競技で、個人戦、男女ペア、団体戦が行われます。試合時間は1試演につき30秒~90秒で、動作の正確さや表現力が採点の対象となります。
クラシフィケーション
補聴器をはずした裸耳状態での聴力損失が55デシベルを超えている選手
*デフリンピックには12歳以上の選手が出場可能です(2022年大会時)
デフテコンドーキョルギ
デフテコンドーキョルギは、聴覚障がいのある選手が行う組手競技で、基本的なルールはオリンピックのキョルギと同じです。試合では防具を着用し、電子防具が使用されます。
階級(デフリンピック階級)
男子 | -58kg | -68kg | -80kg | +80kg |
女子 | -49kg | -57kg | -67kg | +67kg |
クラシフィケーション
補聴器をはずした裸耳状態での聴力損失が55デシベルを超えている選手
*デフリンピックには15歳以上の選手が出場可能です(2022年大会時)
パラ・デフテコンドーの今後の展望
パラ・デフテコンドーは、世界中でその人気と競技者数が増加しています。パラリンピックやデフリンピックの舞台で、より多くの障がい者アスリートが活躍できる場として注目されています。洪人館では、これらの競技に対応した指導を行っており、パラリンピックやデフリンピックでの活躍を目指す選手の育成に力を入れています。